特 徴
蒟蒻は、一般的には3年生から4年生のものを加工向け材料としますが、 田人町荷路夫地区で代々栽培を続ける一部の農家では、5年生まで育て た大玉を収穫しており、その重さは4kg までになるようです。
大玉の栽培秘訣は特にないと言いますが、堀り起こし後の生子の選別、
●田人町黒田地区 ●田人町荷路夫地区
●三和町差塩地区 ●三和町永井地区
明治時代初期に田人地区に導入されたといわれている蒟蒻は、当時は 傾斜地に作る「自然生」栽培に限られていましたが、種芋の貯蔵法として「火 室貯蔵法」が取り入れられてからは、各農家ごとに種芋を代々守りながら 畑での栽培が盛んに行われました。しかし、消費の伸び悩みと価格の低落、異 常気象による被害などにより生産意欲が減退し、昭和56年以降は栽培 面積、収穫量とも急激に減少しています。
三和では、田人より70~80年前に種芋を譲り受け、永井地区で広 まりましたが、現在は永井地区の数軒と差塩地区の一部でのみ栽培されて いるようです。
蒟 蒻
主な産地
生産の歴史的由来
こねた時間や水加減により、仕上がりの色や 香り、食感に違いが出る
5年生の茎は1m 以上も成長する
塊茎 類
48
蒟蒻の栽培は、連作障害がおきますので、5年以上蒟蒻 を栽培していない畑を選びます。最適の土質は壌土ですが、 いくらか砂地が多いほうが良いとされます。堆肥をいっぱ い入れ野菜配合肥料を撒いて培土します(生子~4年生とも)。 芽が少し出たら、野菜配合肥料を株にかけないように撒き、 中耕しワラをたっぷり一面に敷きます。以降、収穫まで手 入れは不要ですが、白絹病(しらきぬびょう)や葉枯病(はが れびょう)などの病害に注意を要します。
茎が倒れ、黄色(枯色)に変わってから株を掘り起こし ます。掘り起こし時期が早いと、子・孫株が離れにくくな ります。また、掘り起こす際には、種芋としての貯蔵を考 えて、慎重に丁寧に扱います。
種芋の貯蔵は、株をよく干した後、ビニールハウスの中 に穴を掘り、凍結を防ぐため、その穴の中に種芋を積み重ね、 土を被せます。さらに、その上にワラを覆って冬越えします。
代表的な栽培方法
貯蔵後の選別を慎重に行なうなど、種芋を厳選しているよ うです。
全国的に在来種はほとんど姿を消しましたが、福島県の品 種切り替えは緩やかだったといわれています。在来種は「ノリ
(ねばり)」が強いのが特徴で、蒟蒻へ加工する際に、こね作 業を十分に行うことにより弾力性のある蒟蒻ができます。 手ごね蒟蒻は、一に刺身、二に煮込みといわれるほど、 田人の郷土料理に欠かせない食材です。各家庭でこね方や 水加減が異なることから、色や香り、弾力性、食感などが様々で、 代々受け疲れてきた「伝統の味」が楽しまれています。
蒟蒻の掘り起こす時期は、茎が黄色くなり茎の根元より倒れ た頃が目安
在来作物と伝統・食・文化
こんにゃくの白和え
① こんにゃくを一口大にする
(色添えのため人参などを入れる場合もある)
② ①の材料をしょう油、みりん、砂糖で煮る
③ 豆腐は水をきり、砂糖を少々入れてすり鉢でする
④ ③で②を和える
●こんにゃく ●豆腐 ●味噌 ●しょう油
●みりん ●砂糖 作り方
材 料
生子 1 年生
2年生 3 年生
49 48
手 造 り こ ん に ゃ く
50
何度もお湯を加えながら、 手ごねを繰り返し、食べや すい弾力に調節する
8
溶かした炭酸ナトリウムを 4へ加え手でこねる
7
芋1kgにつき25gの割合 で炭酸ナトリウムをお湯に 溶かす
6
自然生の皮をむく
1 ミキサーにかけやすいよ
う5cm角の大きさに切る
2 ミキサーの容器に自然生
とかぶるくらいの水を8 分目まで入れ撹拌する
3
寝かしている間に竃に火を おこし、蒟蒻を茹でるため の湯を沸かす
5
ペースト状になった 自 然 生 を大きな容器でよく混ぜ合 わせ、40分ほど寝かせる
4
掌で表面を滑らかにした ら小皿で掻き上げるよう にすくう
9 すくった蒟蒻はお湯の中に
入れて1時間ほど煮る
10 重なり合って形が崩れな
いように時々かき混ぜる
11 水に浸して冷ませば出来き
上がり
12 田人地区には、各家庭ごとに代々伝わる蒟蒻の加工方法「蒟蒻あわせ」があります。蒟蒻のう まさは「こね」で決まるといわれ、十分に時間をかけてこね合わせます。作業時の気温や湿度、 力加減や水加減によっても、蒟蒻の色合いや風味、弾力性に違いが現れます。定番の「刺身 こんにゃく」は、手造りならではの凹凸の表面に、刺身しょう油と薬味が適度に絡まり絶品。 収穫時期には、長年の愛好家から農家へ直接予約注文が入るほど評判の高い逸品です。
手造りこんにゃく (蒟蒻あわせ)
在来作物と伝統・食・文化
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